この本は、藤原和博さんが書かれた本です。
藤原和博さんはリクルート社に勤めていた経験があり、元和田中学校校長という経歴をお持ちの方です。
その他の有名な書籍としては、「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」などがあります。こちらも読書済みなので、いずれブログで紹介します。
さて、一般人よりも濃密な人生経験をお持ちの方が書かれた本書は、「なるほど!」と思わされることがいくつもありました。
「幸せになるためのお金の使い方」に関する有益な情報がいくつもちりばめられていますので、ぜひお読みください。
この本を読んでほしい人
- お金を稼ぐことにばかり目が向いていて、どう使えばいいのか分からない人
- 将来のキャリアや働き方に不安を抱えている若手ビジネスパーソン
- 「人とのつながり」に価値を感じながらも、行動に移せていない人
- 投資や貯金だけでなく、「人生の満足度」を上げるお金の使い方を知りたい人
『人生の教科書[おかねとしあわせ]』は、単なるマネー本ではありません。お金をどのように使い、「どう生きるか」「どう幸せになるか」という問いに、明確なヒントを与えてくれる一冊です。
本の内容
「レアカード」になるためにお金を使え
この本の核心のひとつは、「人に喜ばれる自分になるためにお金を使う」という考え方です。すなわち、自分を「レアカード」に進化させる知識、スキル、趣味、人脈への投資が、幸福への近道になります。

たとえば私は、ブログを書くことで人とつながり、有益な情報を発信するという方向にお金と時間を使いたいと思いました。
習慣を見直す勇気
「みんながやっているから自分もやる」という考えは、時として人生を停滞させます。
皆様に問いたいのですが、無意味な飲み会や慣習的な支出はありませんか。
そういった習慣・慣習について、その意義を今一度考えてみてください。
私自身も、つい流されて参加していた飲み会が、果たして本当に必要だったのか、振り返るきっかけになりました。

安物買いはするな
「安物買いの銭失い」とは、まさに自分のことだと反省しました。
100均で「なんとなく買ったけど使わなかったモノ」、結構ありますよね。
この本は、高くても長く使えるものにこそ投資すべきと説きます。
「語れる体験」にこそ価値がある
人に語れるような経験、つまり「物語」を生む支出が、人生を豊かにします。「迷ったときは語れる方を選べ」というアドバイスには、私も大きく共感しました。

スポーツサークルに入って新しい出会いをつくる、旅先で普段なら行かない場所に足を延ばす──そんな体験が、未来の自分をつくっていきます。
キャリアと幸福の再設計
「年収400万円、年間労働時間2000時間なら、時給2000円」という考え方からは、働き方へのヒントが得られました。単純な金額だけでなく、自分の時間の価値を意識することが、満足感のある人生への第一歩です。

著者は「成長性のある中小企業に勤めること」を勧めていますが、私はそれに対して一歩引いて考えました。
確かに中小企業のほうが挑戦しやすい環境ではあるけれど、安定性や法整備という面では大企業に分があるとも感じます。
その上で、副業などで自分の可能性を広げていく、という道が今の自分には合っているように思いました。
お金と「人とのつながり」は両立する
これはあくまで私の意見ですが、「常に自分の時間単価に見合うかを考える」という視点と、「人とのつながりには時間単価を当てはめないほうがいい」というバランス感覚を持つべきだと思います。

私は、効率だけを追いすぎると人間関係が希薄になると感じました。
人間関係に貴賤の観点を持ち込むべきではないと思います。
時間効率などを考慮せず、関わった人とは良好な関係を構築することが大切だと思いました。
「情報を生み出す側」へ回るために読む
情報を受け取るだけでなく、創り出す側へ──このシフトが、現代における幸福感の源泉になるという主張にも納得しました。
私は読書によって、自分の脳を拡張し、そこからブログなどを通じて情報発信することで、「誰かに価値を提供する自分」になりたいと思いました。
お金で「応援」する幸福
本書は、「自分のためのお金」だけでなく、「誰かのために使うお金」の意義も説いています。
たとえば、世界中の遺児支援にお金を使うことが、心の豊かさにつながるのです。
この考えは、『「幸せをお金で買う」5つの授業』という本にも書かれています。
まとめ
お金は幸せになるために有効な手段ではありますが、お金を得ること自体が幸福につながるわけではありません。
『人生の教科書[おかねとしあわせ]』は、「稼ぎ方」よりも「使い方」に光を当てた、珍しいお金の本です。しかし、その視点こそが、これからの時代に必要だと私は感じました。
「レアカードになるための自己投資」「語れる体験を買う」「人との絆をつなぐために行動する」──こうした考え方は、今後のお金との付き合い方に大きな影響を与えてくれるはずです。
お金はツール。正しく使えば、自分を成長させ、他人を喜ばせ、豊かな物語を生み出すことができます。
そのヒントが、この一冊に詰まっています。
以前に紹介した『「幸せをお金で買う」5つの授業』も、幸せになるために有用なお金の使い方について書かれています。
こちらの記事もぜひご一読ください。

※この記事は『人生の教科書[おかねとしあわせ]』(著:藤原和博/筑摩書房)に基づいて執筆しています。
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